過敏性腸症候群・クローン病の漢方相談

当店の得意分野の1つです。

過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群(IBS)とは、X線などの検査で調べても特に異常が見つからないのにも関わらず、腹痛や腹部不快感(ガス・腹鳴)をともなった下痢や軟便または便秘を慢性的に繰り返す病態を言います。現代医学ではっきりした原因はわかっていないようですが、多くの場合ストレスが影響していると考えられています。
 この症候群は日本人の約2割の方にみられるようですが、日常生活に支障をきたすこともないため自覚していない場合もあるようです。

 ストレス社会のためか現代社会に急増している病気のひとつであり、いつ誰がかかっても決して不思議ではありません。

こんな経験ありませんか?
   ○通学・通勤途中でおなかが痛くなる
   ○人前で発表する時におなかが痛くなる
   ○試験前におなかが痛くなる
など、特に緊張する時などに腹痛や便意を感じる場合、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。
過敏性腸症候群には以下の3パターンがあります。
○「下痢のタイプ」・・・
 下痢・軟便が続いたり、繰り返す状態ですが、睡眠中や気持ちがリラックスしているときなどには起きにくいです。食あたりなどの下痢のような強い痛みなどはありません。
○「便秘のタイプ」・・・
 便意があるのに便通がない、もしくは少量しか出ない状態です。
○「混合タイプ」・・・
 下痢・軟便が数日続き、次は便秘が数日続くのを繰り返す状態です。

 過敏性腸症候群は、腹痛や腹部の不快感を伴う下痢または便秘をします。が、食あたりのようなものと異なり、排便すればその不快感や痛みは治まることがほとんどのようです。
【 IBS以外で他に考えられる病気】
●大腸がん・・・当店で漢方治療の対象になります。
●膠原病  ・・・当店で漢方治療の対象になります。
●潰瘍性大腸炎・クローン病・・・腸の炎症によって慢性的に下痢が続くタイプです。・・・当店で漢方治療の対象になります。
●乳糖不耐症・・・日本人に多い症状。日本人は乳製品に含まれる「乳糖」を分解する酵素がない、または少ないため牛乳を飲むと下痢をしやすくなります。これは病気ではなく、日本人なら正常な反応です。

過敏性腸症候群の漢方相談

下痢や便秘をするということは、腸に問題があると考えられます。腸は『第二の脳』と言われ、腸と脳には密接な関係があります。通常、この2つの器官は神経によってつながっているため、脳にストレスを与えることでその信号が腸に伝わり腸の運動に影響が出ます。
 過敏性腸症候群の方はこの脳から腸への信号の伝達が過剰で、腸が過敏に反応しやすく、正常な方に比べ痛みを感じやすくなったり、蠕動運動に異常が出て下痢や便秘になると考えられます。
 研究データをみると、『セロトニン(自律神経関連の物質と思われがちですが、体内の9割ほどは腸内に存在している)』という神経伝達物質が、脳がストレスを受けることで腸の粘膜からもたくさん分泌されます。それが腸内で「セロトニン受容体」と結合することで、蠕動運動(腸の便を作り出す動き)に異常を起こし、下痢や腹部症状を引き起こすと書かれています。

 図のように、症状とストレスによってどんどん症状が悪化するような『負のサイクル』ができており、放っておいて自然治癒する可能性はほとんどありません。西洋医学でも漢方でも原因は、ストレスなどの処理がうまくできず自律神経のバランスが崩れた結果、過敏性腸症候群になっていると考えています。
 過敏性腸症候群は、自律神経のバランスが乱れた結果なったものですので、発症後に下痢を抑えても治ったことにはなりません。『自律神経の失調』という原因があり、その上に『下痢・便秘・腹痛・ガス』といった症状が上に積み重なっている状況と考えます。いくらうわべだけの症状をとっても原因がある限り再発する可能性は高いと思われます。

<病院治療>
 「セロトニン」に着目した新しい治療方法が登場し、腸内で過剰に作用するセロトニン作用を抑えることで下痢や腹痛などを改善しようとする治療が注目されています。

<当店の漢方相談>
 下痢などの下腹部の不快な症状は、1つの病気と捕らえ症状を軽減しますが、メインは自律神経のバランスを整えることと考えます。自律神経失調症などと同じ漢方相談になることが多いようです。
 自律神経のタイプにはさまざまなタイプがあり、全ての人に同じお薬で良いというわけではありません。一人一人に合った自律神経の機能を高める漢方を選びましょう。

 お薬をやめて、確実に再発するリスクを少なくするには、自律神経の状態を良くし、さらにストレスに影響されない強さを持たせることが大切だと考えます。
 速攻で改善・完治する病ではないですが、コツコツ一緒に漢方相談にじっくり取り組んでいきましょう。ご相談下さい。

クローン病の漢方相談

 クローン病も同じように下痢の症状で悩む病気の1つです。
 しかし、クローン病は下痢の症状だけでなく、「出血」や「炎症」「潰瘍」「免疫力」など多岐にわたって原因があります。どれも1つ1つ解決していく必要性があります。
 この病気で一番重要なことは、下痢を止めることではありません。腸内環境を改善していくことです。ただヨーグルトや酵素などを摂れば良いという安易なことではないので間違えないでくださいね。
 クローン病は最終的に人工肛門の処置がなされたとしてもおそらく症状としては残ったままになっているかと思います。それは腸内環境がクローン病を引き起こす環境のままあるからと考えます。
 1つ1つ問題を解決し、クローン病を引き起こしている腸内環境を変えて元の健康な体を取り戻しましょう。ぜひお悩みの方、ご相談下さい。